仮想通貨投資と行動ファイナンス ヒューリスティック 基礎編

皆さん、インデックス投資してますか、ゆーです。

行動ファイナンスシリーズですが、今回はヒューリスティックについて詳しく見ていきたいと思います。
ヒューリスティックというのは人が複雑な問題解決などのために、何らかの意思決定を行うときに、暗黙のうちに用いている簡便な解法や法則のことを指します。
これらは、経験に基づくため、経験則と同義で扱われます。

判断に至る時間は早いけれども、必ずしもそれが正しいわけではなく、判断結果に一定の偏り(バイアス)を含んでいることが多いです。

これは投資においては非常に危険なことで、すごく簡略化して言えば、以前そうだったから明日もそうだろう!みたいな発想です。
しっかりと正しい判断を積み重ねて投資を進めていくために、ぜひ参考にしてください。

ヒューリスティックとは

行動ファイナンスで人間の意思決定に影響を及ぼすとされる心理的なバイアス(歪み)の一つです。
全体をおおまかに捉え、直観的に素早く判断を導き出そうとするときに働くバイアスのことを指します。

大きく分けると以下の3つに分類されます。

  1. 代表性ヒューリスティック(representative heuristic)
  2. 利用可能性ヒューリスティック(availability heuristic)
  3. アンカリングと調整(anchoring and adjustment)

その事柄に典型的な事例を過大評価したり、特定の経験や規則性をあてはめて判断する「代表性ヒューリスティック」、記憶や印象に残る事例をもとに判断する「利用可能性ヒューリスティック」、先に与えられた参考値に基づき判断する「アンカリング」に分けられます。

身近な具体例

ある2人から、ピッチャーとキャッチャーを選ぶことになりました。
1人はスリムな体系で爽やかな人。もう1人は明らかに太っている人。

お互い「ピッチャーをやりたい」と譲らないので、他のチームメンバーの投票で決めることになりました。
この場合、スリムな体系で爽やかな人がピッチャーとして選ばれ、明らかに太っている人がキャッチャーをさせられることが多いでしょう。

「ピッチャーはスリムで爽やかなイメージ」
「キャッチャーは太ってるイメージ」
「太ってる人にピッチャーは無理」

これらはすべてヒューリスティックです。
実際には明らかに太っている人のほうが運動神経がよかったり、ピッチャーに向いていたりするかもしれません。

しかし、上記のようなヒューリスティックが働くので、明らかに太っている人がピッチャーに選ばれる可能性の方が低いのです。

人が意思決定をする際に、全ての情報をフラットに見ることは不可能ですし、なんらかのバイアスが掛かって物事を見てしまうことになります。
以降、それぞれのヒューリスティックの特性と、回避するための方法をご紹介しましょう。

ヒューリスティックの具体例

それではここからはヒューリスティックについて理解を深めるためもう少し詳しく見ていきましょう。
ヒューリスティックの種類を知ることで、無意識に合理的な判断を鈍らせている原因がわかります。

代表性ヒューリスティック

  1. 基準率の無視によるバイアス(Insensitivity to base rates bias)
  2. 標本の大きさの無視によるバイアス(Insensitivity to sample size bias)
  3. 確率の誤認知によるバイアス(Misconceptions of chance bias)
  4. 回帰の誤概念によるバイアス(Regression to the mean bias)
  5. 連言錯誤によるバイアス(The conjunction fallacy bias)

基準率の無視によるバイアス(Insensitivity to base rates bias)

直近の出来事に影響されて事前に与えられた情報を無視して判断してしまうバイアス。

(例)コインを振って、10回連続で表が出た。次は表と裏のどちらが出る?

→表ばかり出たのだから、「次も表が出るだろう」と考える人が多い
→同様に表ばかり出たのだから、「今度こそ裏が出るだろう」と勘ぐる人も居る
→出る面は表裏どちらも五分五分であることは周知の事実だ
→しかし、実際には「今起きたこと」に注意が向いてしまい冷静に考えられない。

標本の大きさの無視によるバイアス(Insensitivity to sample size bias)

調査する対象が少なすぎて、得られたデータが偏ってしまうというバイアス。

(例)コインを振って、10回連続で表がでた。だから次も100%の確率で表が出る。

→10回連続でコインが表となる確率は低いもののありうることだ
→本来ならば、100回〜1000回振って、もっと多くの回数を調べるべき
→しかし、少ないデータだけで満足して自分の判断を過信する人は少なくない

確率の誤認知によるバイアス(Misconceptions of chance bias)

「割合」など、確率に左右されてしまい、そこから誤った結論に至ってしまうというバイアス。

(例)コインが表裏表裏裏表の順で出る確率と表表表表表表と出る確率はどちらが高い?

→コインの目がランダムでることから、前者と答える人が多い
→しかし、順列であるため両方とも出てくる確率は等しい(0.5の6乗=1.5625%)
→「ランダム」という言葉ばかりに気が行ってしまい、場合の数の計算を怠ってしまう

回帰の誤概念によるバイアス(Regression to the mean bias)

一般的に物事は回数を経るに従い平均に近づくにも関わらず、「特殊」な状況が継続することを期待してしまうというバイアス。

(例)年間で純利益が100%伸びた企業は、翌年どのようになるか?

→翌年にも伸びると考えてしまう人が多い
→一般的に企業の純利益が100%伸びるというのは特殊な事例である
→本来ならば「平均程度の伸びになる」あるいは「頭打ちになる」のが妥当な考え
→しかし、直近の実績を過度に考えてしまい、楽観的に考えてしまう投資家が多い

(例)大リーグで打率が5割の打者の来年の実績はどうなるか?

→来年にも大きな期待をかけられることが多い
→このような例は類を見ず、特殊であるため継続することは本来考えにくい
→しかし、一般的な打率(2割〜3割)に回帰する可能性を多くの人が無視してしまう

連言錯誤によるバイアス(The conjunction fallacy bias)

本来は1つのことだけが起こる確率の方が高いにも関わらず、複数の事象が同時に起こる方が確率が高いと考えてしまうバイアス。

(例)
リンダという女性がいます。

彼女は独身で、とても頭がよくはっきりとものを言う性格です。
大学では哲学を専攻していて、人種差別や民族差別などの社会問題に深くかかわっていました。

リンダの職業は次のどちらの可能性が高いでしょうか?

A)銀行員の窓口係
B)女性解放運動を行っている銀行の窓口係

この問題はBと答える人が多いようですが、よく考えてみるとおかしいことに気づくはずです。

BはAの部分集合なので、BがAより確率が高いことはあり得ません。

「20歳の大学生」よりも「大学生」の方が必ず多く、「女性解放家で銀行の窓口係」」よりも「銀行の窓口係」の方が必ず多いのです。

「女性解放家で銀行の窓口係である確率」は、「女性解放家である確率」と「銀行の窓口係である確率」それぞれより高いことはあり得ないのです。

このようなバイアスを連言錯誤と呼び、確率に関するバイアスの中では最も多く起こるといわれています。

利用可能性ヒューリスティック

利用可能性ヒューリスティックとは、「すぐに思いつく」ものほど優先的に考えてしまうという人間の心理特性のことを指します。
利用可能性ヒューリスティックには、以下の2つのバイアスが関係しているとされています。

  1. 想起容易性バイアス(Ease of recall bias)
  2. 検索容易性バイアス(Retrievability bias)

a. 想起容易性バイアス(Ease of recall bias)

大規模な飛行機事故が起こると「飛行機は危険だから電車やバスで移動しよう」と考える人が増え、飛行機の利用人数が減ります。
ただ、飛行機が事故に起こる確率は、電車やバスが事故を起こす確率より明らかに低いです。

これは、飛行機事故によって「飛行機=事故」が想起しやすい状況になると起こる典型的なヒューリスティックです。

ワイドショーが世論を作りやすい理由も、利用可能性ヒューリスティックが影響しています。
ワイドショーはテレビをつければ簡単に手に入る情報ですし、一度に百万、千万規模の人が取得可能な情報です。

ワイドショーは、利用可能性ヒューリスティックによって世論を形成するのに最適なツールなのです。

b. 検索容易性バイアス(Retrievability bias)

記憶の中からすぐに思い出されるものを優先するというバイアス。
(例)CMに出てくる商品を優先的に購入してしまう。
→CMに出ているから高品質・割安であるという根拠はない。
→CMの最も大きな影響力は「すぐに思いつく」という点である。

仮想通貨投資家の場合、利用可能性ヒューリスティックによって、以下のような行動を起こしてしまう可能性があります。

・CMに出ている仮想通貨業者で口座を開き、その会社の安全性についてはしっかり検討していない。
・大きな報道があると、そのイメージが拭えず、主観的な投資判断を行ってしまう。
・最近イベントがあった銘柄ほど気になる。
一般的に、利用可能性ヒューリスティックの影響から投資家の視野は狭まり、直感的・主観的な意思決定をしてしまいます。

利用可能性ヒューリスティックを回避するためには、以下の施策を講じる必要があります。

・記憶に頼り過ぎない
・必要以上に情報の影響を受けていないか自問する
・マーケットの全体像を掴み、資金の流れ・市場のトレンドを理解する
・自分の意思決定により、どのようなストーリー(仮説)を経て利益を得るのかを考慮する
・身近で得た情報は割り引いて考える
・考えたストーリー(仮説)によって成功した例・失敗した例を集計し、数値化する

アンカリング

アンカリングとも呼ばれるヒューリスティックです。
同じ商品、同じ値段でも
「価格:1万円」という値札をつけておくよりも

「定価:3万円→特別価格:1万円(限定5着)」
という値札をつけておくほうが売れやすくなります。

まとめ

本日ご紹介した3つのヒューリスティックは私達が生きる上で必要不可欠な能力です。
しかし、投資家が生き残るためには、この無意識下の意思決定能力を放棄し、より緻密で高精度な判断ができなければなりません。

ここまで読んで「私は大丈夫」と思いましたか?
そうだとしたら、あなたははっきり言って危険です。過信バイアスのせいで、大きすぎるリスクをとってしまうかもしれません。

馬鹿げた失敗で資産を失わないよう、自分自身の思考・判断の愚かさには注意しましょう。
投資で一番恐ろしいのは「バカな自分自身」。
このことを、くれぐれも忘れないで下さいね。

私もいつも自分の判断は間違っている可能性があると思っていますし、賢い投資家が多数いる中で自分だけが出し抜いて勝てるとは思っていません。
そのため、皆さんにはインデックス投資を進めていますし、自分自身もなるべく手数料と時間をかけずに投資をしています。

ぜひ、ヒューリスティックに惑わされずに、冷静な判断とそしてインデックス投資で資産を増やしていきましょう!

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